二輪のお仕事教えて!/イベントMC 多聞恵美さん

バイクを仕事にするって楽しい? 二輪業界で働くバイク女子に色々聞いちゃうこの企画。第5回目は、モデライダー(モデル+ライター+ライダー)として二輪雑誌で執筆するほか、イベントMCでも活躍中の多聞恵美さんです。 

—バイク雑誌や二輪イベントなど様々なバイクシーンで活躍されている多聞さんですが、そもそもこの業界に入ったきっかけはなんだったんですか? 

多聞 私、元々はモデルからスタートしているんです。中学生の頃にヘアモデルをしたのが最初で、その後も地元・関西でテレビやラジオの仕事をしていました。バイクは父親が乗っていたので身近でしたし、10代ですぐに二輪免許を取って乗っていたこともあり、いつか仕事にできたらいいなと思ってました。 

—そうだったんですね。「BikeJIN」さんのツーリングリポートの印象が強いせいか、文章を書く仕事の方が先かと思っていましたが、喋る方が先だったんですね。 

多聞 バイク雑誌の仕事は、オフロード雑誌の「BACK OFF」さんが最初で、その後、エイ出版の「BikeJIN」さんとご縁をいただきました。文章は基本的には独学です。けれど、編集さんやカメラマンさんと出かける中で学ばせてもらうこともとても多いですね。今も連載中の「多聞恵美のうまいもん好っきゃモン!」を担当させていただいてます。 


バイクという自分の好きなフィールドだったから、喋ることが楽しく思えた 


ーバイク関連の仕事で初めてMCをされたのはいつ頃ですか? 

多聞 10年前ぐらいでしょうか。ちょうど私がBikeJINさんで連載を始めて1〜2年経った頃だったと思います。読者向けのミーティングを開催することになり、末飛登(まひと)さんと一緒に参加させていただきました。雑誌のキャラクターだったことに加えて、二人とも喋れるということでお声がけいただいたんですが、想像以上に盛り上がって。そこからイベントもどんどん大きくなり「BikeJIN祭り」は今や私にとって本当にお祭り。毎回MCとして参加させていただいています。でも実は私、そのお仕事をするまでは「喋る仕事はもうやらない」と決めていたんです。 

—え、そうなんですか? 

多聞 東京でもお仕事をさせてもらうようになったときに、仕事をバイク関連に絞りたいという思いもあったんですが、関西で色々経験させてもらった上で、喋りの仕事は私は苦手なんだと感じていて。だからもうやらないと思っていました。でもBikeJINさんの読者ミーティングでMCをさせていただいて分かったんです。喋るのが苦手というより、できない自分が嫌だったってことが。テレビやラジオでは、上手いこと言わなきゃとか完璧にやらなくちゃって構えてたから空回りして、喋ろうと思った瞬間にアナウンサーさんが言葉をかっさらってく、あの惨敗感。凄いなあと憧れると同時に、毎回打ちのめされてましたね。でも、バイク乗りが集まるミーティングでは、バイクという自分の好きなフィールドだったからこそ、おしゃべりが楽しめたんだと思います。  

—最近は書くお仕事と喋る仕事、どちらが多いですか? 

多聞 喋る方が多くなりました。地元・関西の大阪モーターサイクルショーでは今年で11年目のメインMCを務めさせてもらいます。それから、2018年の春にスタートしたwebラジオ番組「Ciao!Lambretta(チャオ!ランブレッタ)」もそのひとつです。この番組は大田区田園調布にあるランブレッタ&サインハウスさんのショールームからお届けしているんですが、サインハウスさんは私のMCへの転換期のきっかけを作ってくださったんです。というのも、サインハウスの現会長である白松さんから、初めてお声がけいただいたのが5〜6年ほど前。ほぼ初対面だったにも関わらずモーターサイクルショーのブースMCをやって欲しいと言われたんです。しかもその年からいきなりステージのプロデュースまで任せていただいて。喋るだけじゃなく、もう一歩踏み込んだ役目も与えてもらってます。ステージ全体を俯瞰で考えながら喋ったり、クライアントさんが求めていることも考えながらイベントを組み立てる、というのを特訓させてもらいましたね。

東京モーターサイクルショーでのサインハウスのステージでは、ライダーであり俳優の大鶴義丹さんと元GPライダーの宮城光さんとのトークも。

— Ciao!Lambrettaは私も何度か出させていただきましたが、多聞さんの流暢なトークでいつも楽しくお話しさせていただいています。実はこのインタビュ—の後も番組に出演させていただく予定で(笑) 

多聞 ですよね、ありがとうございます!「Ciao!Lambrett」は、2018年の東京モーターサイクルショーをどんな風に構成するかという会議に参加させていただいて、そこから生まれた番組です。今までと違うことにチャレンジしたいというのもひとつですが、番組を通じてランブレッタというバイクを知っていただき、映像や音でもランブレッタを感じてもらいたくて、動画で配信しています。 

「Ciao!Lambrett」は、毎回様々なゲストを迎えトークを実施。Lady Go Moto!の私、マツザキもお邪魔させていただきました。


二輪に特化したMCを育てるワークショップ「松下塾」を開催 


—昨年はもうひとつMCにまつわる新しい試みを始められたそうですね。

多聞 「松下塾」という、二輪系イベントなどのMCを目指す人に向けてのワークショップを始めました。いまレースアナウンスや実況、バイクイベントの司会などMCの仕事は増えつつあるんですが、若くてちゃんとできる人、というと人材不足を感じています。二輪系のMCとして活躍する MCシモこと和田鉄平さんから「若い人を育てるようなスクールをやりたい」と話があって一緒に始めました。彼はイベント運営も手がけているので、私よりずっとそのあたりの事情を切実に感じていたようで。松下塾の松下とは、私のMCの先輩であり、兄のように慕っていた松下ヨシナリさんのことです。彼は2013年のマン島TTレースの事故で帰らぬ人になってしまって、話題にするのがタブーだと考えている人もいるようですが、私は純粋に彼のことが好きで、教えてもらったこともすごく多い。松下さんに出会ってなかったら今こうやって喋ってないので、この名前を使わせていただくことにしました。 

—松下さんのトークは本当に面白くて、みんなが引き込まれましたもんね。 

多聞 はい、私は目指すところ「オンナ松下」なんです。今でこそ色々な現場を経験させてもらってタモンメグミらしい喋りができていると思いますが、喋り始めの時って、好きなMCの真似をするのがいいんです。だからほんと最初は松下さんのコピーでしたよ(笑)。 

「松下塾」が開催される鎌倉のトリプルカフェにて。モンちゃんの両サイドには講師のMCシモこと和田鉄平さん(左から2人目)とみし奈昌俊さん(右から2人目)。

—松下塾ではどんなレッスンをしてるんですか? 

多聞 アナウンサースクールでやっているような発声練習をすることもありますが、松下塾はアナウンサースクールではなく、「バイクのMCってこんなお仕事」と伝える場なので、その上であなたは何をやりたいですか、と言った適正チェックもやります。特別講師には二輪レースで長年実況をされている、みし奈昌俊さんやピエール北川さんにも名を連ねていただけています。本当に有り難い事です。GPや8耐などについての経験談などもお話しいただいていて、むしろ毎回、私達シモ・タモが勉強させていただいています。 

—それは贅沢ですね。開催ペースはどのくらいですか?

多聞 いまは2ヶ月に1回ぐらいですが、レースの繁忙期はみんなのスケジュール調整が難しくなるので3ヶ月に1回ぐらいです。 

—受講生さんの男女比はどんな感じですか? 

多聞 いまは半々ぐらいですね。でも、松下塾は間口を広くして、本気の人もちょっと覗きたい人も、ビジネスに生かしたい人もウェルカムなんです。まずはバイク業界に特化したMCがあるんだってことを知っていただき、やりたい人がいれば全力でサポートする。講師側もまだ手探りですが、松下塾を生徒さんと一緒に盛り上げている途中なので、興味があればぜひ遊びに来て欲しいと思います。 


text_Yuko Matsuzaki

photo_SYGN HOUSE、OSAKA MOTORCYCLE SHOW、Tamon Megumi

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