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【国井律子の乗り物ダイアリー vol.25】ヒトはいつでもタイムトリップできる!

コロナ時間、覚悟はしていたけど、いやぁ長すぎですね。

バイク ツーリング
2004年6月、学生時代の仲間たちとサンフランシスコでオートバイをレンタル。だからちょっと懐かしい型のスポーツスター。ヨセミテ→グランドキャニオン→ラスベガスを1週間で走って回った。
  • 2004年6月、学生時代の仲間たちとサンフランシスコでオートバイをレンタル。だからちょっと懐かしい型のスポーツスター。ヨセミテ→グランドキャニオン→ラスベガスを1週間で走って回った。
  • ヨセミテ国立公園にて。スケールでかすぎ。アメリカすごすぎ(笑)。と、浮かれる豆粒のような仲間を撮っています。
  • 街道沿いの小さなスーパーで休憩。
  • 日本ぽい写真だけど、右側通行。
  • 何もない、何も変わらない大陸の風景。画像や映像で見ると気持ちいいけど、実際走ればあくびが止まらない。
  • エコカーってなんですか。
  • 2004年、若すぎる私はさておいて。
  • 私の心をアメリカに連れて行ってくれた、長男作オオカミのぬりえ。

コロナ時間、覚悟はしていたけど、いやぁ長すぎですね。

旅と同じくらい家も大好きなインドア派の私ですが、さすがにちょっと限界というか……。

この春、本当は小学一年生になるはずだったうちの長男。まだ入学式も済ませておらず、保育園児なのか小学生なのか、本人が一番わかっていない哀れな状態です。

それはさておき、小学校が始まらないかもしれない、という緊迫した噂が飛び交っていた3月終わりごろ。私は長男用にいろんなグッズをあわてて買いそろえました。50色の色鉛筆がそのうちのひとつ。

誰に似たのか、極度なインドア派のカレは(たぶん私に似たんだと思いますが)、まるで職人のように緻密なぬりえに日々取り組んでおります。

先日はオオカミが完成!

私の心をアメリカに連れて行ってくれた、長男作オオカミのぬりえ。
「お母ちゃん、本物のオオカミ見たことある?」

そうたずねる彼に、実際の姿はないけど、アメリカのキャンプ場で遠吠は聞いたことがある。私はそう答えました。

オオカミたちはまるでおしゃべりをするように、遠吠えし合っていたこと。その声が遠かったこともあり、べつに怖くはなかったこと。大自然が奏でる美しい音色に、むしろ心地よささえ感じたこと……。

急に長男の目がキラキラと輝きます。いくら究極のインドア派といえ、オマエさんも退屈していたんだね。カレの反応が楽しくて、私もつい口なめらかに、なつかしい旅の思い出を語り始めました。

2004年6月、学生時代の仲間たちとサンフランシスコでオートバイをレンタル。だからちょっと懐かしい型のスポーツスター。ヨセミテ→グランドキャニオン→ラスベガスを1週間で走って回った。
私が泊まっていたキャンプ場は、クマも出るため食料を木に吊るして保管したこと。夜中、ふとトイレに行きたくて目が覚めたこと。テントの外には大きな月が浮かんでおり、その明かりだけで森のなかを歩いたこと。スグ近くで鹿の鳴き声が聞こえてきたこと。それは古びたドアみたいな「ギーッ」という音だったこと。その国立公園には、視界に入りきらないほどの高い木や大きな岩があったこと……。

「ここはどこ、私は誰」

旅に出ると、そういう気持ちになることがたまにある。その瞬間が大好きで、だから私は遠くに行く……。

……なんてことをしゃべっていたら、私がだんだん遠い目になっていったのです。

旅に出たい!!!!!

ヨセミテ国立公園にて。スケールでかすぎ。アメリカすごすぎ(笑)。と、浮かれる豆粒のような仲間を撮っています。
ツーリングとかキャンプとか海外旅行とか、つい最近までふつうにできたことが、急にできなくなり、「家に居ろ!」 「外に出たら“悪”!」。このごろはまさに息苦しい雰囲気で、もうすぐ2歳になる次男が「せんせい」とか「●●くん」とか、通っている保育園のメンバーの名前をぽつぽつ口にするようにもなりました。こんな小さいカレだって頑張ってSTAY HOMEしているんだと思ったら、なんだか胸が痛い……。

で、話を戻すと私はいま、アメリカに気持ちが向いています。そう、長男のぬりえがきっかけで。そう考えると、ヒトはいつ何どきでもタイムトリップできるんだなぁ。でもやっぱりテントは動物が怖いから、レンタル・キャンパー泊かなぁ。楽しい想像がふくらみますね。

あともうちょっと。お互い頑張りましょう!

2004年、若すぎる私はさておいて。

国井律子/Ritsuko Kunii
1975年8月25日東京生まれ。旅のエッセイスト。玉川大学文学部芸術学科芸術文化専攻卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌からエッセイストとしてデビュー。オートバイのほか旅、クルマ、サーフィン、アウトドアなど多趣味を生かしエッセイを執筆。著書に「放浪レディ」(求龍堂)、「アタシはバイクで旅に出る」(エイ出版)など多数。近著に「進化する私の旅スタイル」(産業編集センター)がある。

《国井律子》

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