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【国井律子の乗り物ダイアリー vol.21】プノンペンのエンジン事情

昨年に引き続き、今年もまたカンボジアはプノンペンに来ています。約1ヶ月のやや長い滞在です。メンバーはこの地に知り合いが多い実兄と、5歳の甥っ子。それから私の6歳と1歳9ヶ月の息子たち。ここ数年いつも一緒に旅している「イツメン」です。

ライフスタイル カルチャー
赤白青緑黄は定番トゥクトゥクカラー。逆にピンク紫シルバーゴールドとかは見たことない。
  • 赤白青緑黄は定番トゥクトゥクカラー。逆にピンク紫シルバーゴールドとかは見たことない。
  • 月曜日の朝に撮った写真。休み明けでグズグズしている彼らをまくし立てて登園したものだから、みんなしょぼくれた顔をしています……。
  • 風を切りながら目的地を目指す。息子たちは信号待ちで隣合ったトゥクトゥクと勝手にレース気取り。ワイワイ楽しい時間。
  • こんなベントレー、東京でもなかなかお目にかかりません。TOPAZというプノンペンでも1,2を争うフレンチレストランの前で。
  • 一番多い高級車はレンジローバー。今年になってからはおしゃれピックアップトラックもよく見かけるような。とにかくこっちのクルマはみんな大きい。
  • おもちゃ売り場でも置いてあるクルマがゲレンデとか高級外車揃い。夢があっていいなぁ。
  • 次男と洗濯物を干す、週末の風景。私が初めてプノンペンを訪れたのは2010年。そのときは高い建物はまったくなかった。
  • この街の皆さん、歩道は駐車場か何かと勘違いされている。日本だったらエライこと!

昨年に引き続き、今年もまたカンボジアはプノンペンに来ています。約1ヶ月のやや長い滞在です。メンバーはこの地に知り合いが多い実兄と、5歳の甥っ子。それから私の6歳と1歳9ヶ月の息子たち。ここ数年いつも一緒に旅している「イツメン」です。

月曜日の朝に撮った写真。休み明けでグズグズしている彼らをまくし立てて登園したものだから、みんなしょぼくれた顔をしています……。
私たちが滞在しているのは中心地からほど近いウイークリー・マンションの9階。すぐ近くには、東京で言うと皇居のような存在の王宮があります。歩いて行ける場所には、おしゃれなレストランやショップが建ち並ぶ、青山みたいなキラキラしたバンケンコン・エリア。私たちがいるのはさしずめ西麻布のような、便利なのだけど一本奥まった静かな地域です。

メインストリート以外、プノンペンの道は決して広いとは言えませんが、ツヤツヤのベントレーや、新型のレンジローバーやメルセデスやアウディやボルボなど大型の高級SUVが道いっぱいにバンバン走っています。昨年訪れたときよりもその台数は確実に増えている。

こんなベントレー、東京でもなかなかお目にかかりません。TOPAZというプノンペンでも1,2を争うフレンチレストランの前で。
ただいま経済が急成長しているカンボジアです。9階の部屋からは、建設中の高層ビル群がにょきにょきと何棟も見えます。日本もまもなく追い越されるんじゃないかと思うほどの勢いで。私たちも頑張らなきゃという気持ちにさせてくれるプノンペンなのでした

経済成長すさまじいこの国ですが、街は本当に若い人だらけ。生き生きとしたパワーがそこここにあふれています。一方で高齢者世代はポル・ポト派の影響がかなりあり、うちの母くらい(81歳)の人たちを見かけることは皆無といってもいいほど。ああ、だから「バリアフリー」という概念がこの街には欠けているのかも。段差が多すぎてベビーカーがつらい……!

この街の皆さん、歩道は駐車場か何かと勘違いされている。日本だったらエライこと!
歩道はまるで高級車の駐車場のためにあるようなものだし。結局は逆送車両がバンバン来る危険な車道を歩かなければいけません。とはいえ皆さん、基本は街では歩かず原チャリとかクルマ移動ですから、これでいいのかもしれませんけどね。

なので昨年と同様、プノンペンスタイルにならって私たちの移動はトゥクトゥクです。風を切って街を疾走するオート三輪は、ここ数年でインド製のコンパクトタイプが主流となりました。クルマの隙間を縫うように軽快に走るトゥクトゥク。オープンなので空気は悪いけど、タクシーよりずっと早く目的地に着くことができます。

スマホアプリのGrab。ドライバーが何分で到着するか、現在トゥクトゥクはどこにいるかなどが一目でわかる。ていうかこのドライバー、かっこいい! と色めき立ちましたが、実際着いてみたらふつうのオジサンでした……。
しかもGrabというスマホアプリに目的地を記入、すぐさま値段が出ます。観光客だからと法外な値段を吹っかけられることはもうありません。スマホの決済ボタンを押せば、近くにいるトゥクトゥクが即座に反応、1~3分ほどでお迎えにやってきます。迎車料金など一切かからず、とにかく明朗会計(登録しているクレジット払い)、そして安い(30分くらい乗っても300円ほど)、なんと言っても便利!

先日兄とトゥクトゥクに乗っていたとき、彼がボソッとこんなことを言いました。東京こそ、トゥクトゥクがぴったりな街だと。家にあったら、どのくらい便利かわからない、としみじみと。

大通りを一本入ると、トゥクトゥクがすれ違うのも難しい小径。タワマンとのコントラスト。
まぁたしかに、クルマよりずっとコンパクトだし、そのわりに前に2人、後ろに3人は乗れるし(子どもだったら4~5人)、リアシートのさらに後ろにはちょっとしたくぼみがあるのでベビーカーだったり、大きな鞄だったり、旅行用のトランクさえも積載可。いまは乾期だから使うことはないけれど、両サイドの屋根には雨よけのシートがくるくる巻かれています。

雨が多い日本、とっさのことでもこのシートさえ下ろしてしまえば問題なし。ということは真冬の寒さもしのげます。スーパーに買い出しとか、子どもの習い事の送り迎えとか、毎日の生活に役立つこと間違いない!

風を切りながら目的地を目指す。息子たちは信号待ちで隣合ったトゥクトゥクと勝手にレース気取り。ワイワイ楽しい時間。
でもね、お兄さん。やっぱり私、いやだ。だって家にトゥクトゥクがあるなんてあまりに目立ちすぎるもの。街行く知り合いに「あ、国井さんだ!」なんてバレバレだし。それに住宅だらけのコンクリートジャングルな世田谷。あのトゥクトゥクの家を右に曲がってね……なんて、目印代わりに使われてしまう。

ただでさえわが家はキャンピングカーしかない。とにかく目立たないよう私なりにひっそりと暮らしているつもりなのだから。

……けれどきっと街の人たちには、「あそこにいつも止まってるキャンパーだ! 連休だもんね、どこか行くのかな」とか、実際もうすでに住宅街の目印として役立っていると思うけどね……。

私が思う、プノンペンで一番のおしゃれストリートst240。こんなかわいいタンデムライダーが。

国井律子/Ritsuko Kunii
1975年8月25日東京生まれ。旅のエッセイスト。玉川大学文学部芸術学科芸術文化専攻卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌からエッセイストとしてデビュー。オートバイのほか旅、クルマ、サーフィン、アウトドアなど多趣味を生かしエッセイを執筆。著書に「放浪レディ」(求龍堂)、「アタシはバイクで旅に出る」(エイ出版)など多数。近著に「進化する私の旅スタイル」(産業編集センター)がある。

《国井律子》

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