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【国井律子の乗り物ダイアリー vol.20】春夏秋冬、青森県が好き過ぎて

青森県が好き過ぎて、拙書やら出演DVDやら出させてもらったことがあります。

クルマ ドライブ
蟹田港からむつ湾フェリー。筑波から1日でやってきたという強者ライダーのおじさまたちとデッキでおしゃべりしていたら、あっという間に対岸に到着しました。
  • 蟹田港からむつ湾フェリー。筑波から1日でやってきたという強者ライダーのおじさまたちとデッキでおしゃべりしていたら、あっという間に対岸に到着しました。
  • 国道338号線はまさに秘境のただなかを通る素晴らしい道。タイトなヘアピン。山の尾根。突然眼前に開ける津軽海峡。奇岩怪岩。「熊出没注意」の看板。交通量が少ないせいか、路面は頬ずりしたくなるくらい面ツルでした。
  • 奥入瀬渓谷沿いは真夏でもひんやり。雨上がり、苔とかブナの森とかかがキラキラして、フロントガラス越しに飛び込んでくる景色がとてもキレイでした。
  • 弘前市から日本海側の岩崎村まで白神山地のブナ林を縫う一筋の道、白神ライン。世界自然遺産登録地で、3つの峠といくつもの沢を越えます。重なり合うブナの林では猿が木々の間を飛び交い、切り立った岩の上に佇むのは遠い目をしたカモシカ。太古から変わらないだろう、日本の原風景。しかしながら約60キロのワイルドダート、日本海側に抜けるのに、じつに2時間かかってしまいました。
  • 下北半島は恐山に向かう道のりは、アップダウンが激しい暗い森林。コーナーにお地蔵さま。突然景色が開け、強力な硫黄の匂いが鼻につきます。黄色がかった宇曾利山湖は荒涼とした雰囲気。参拝料を支払い、なかに入ります。カラカラと不気味に回る風車は、まるで手の込んだ映画のセットみたいでした。
  • 【国井律子の乗り物ダイアリー vol.20】春夏秋冬、青森県が好き過ぎて
  • 三沢漁港は最果て感漂うサーフスポットでした。どのヒトがお父さんだろうね。長男と、防波堤から応援しました。たまに全然違うサーファーにシャッターを押しまくったり。2017年の夏の家族旅行です。
  • 八戸の大きな市場、八食センターで今夜の魚介を買い込みます。ホヤやらホタテやら、あと地元のお酒やらをどっさり買って、近場の銭湯で身を清めました。

青森県が好き過ぎて、拙書やら出演DVDやら出させてもらったことがあります。

北海道じゃなく、あえて青森!

というのも、北海道には飛行機でズドンと行けるので距離はあるけどイージーなイメージ。でも青森は東京からだと自走がおすすめです。せっかく大好きな場所だからこそ、時間をかけながら愛車で丁寧に走りたい。

国道338号線はまさに秘境のただなかを通る素晴らしい道。タイトなヘアピン。山の尾根。突然眼前に開ける津軽海峡。奇岩怪岩。「熊出没注意」の看板。交通量が少ないせいか、路面は頬ずりしたくなるくらい面ツルでした。
「思えば遠くにきたもんだ」

青森にいるとなんだか貴重な感じがするんです。今度はいつ来られるだろう。いっぱい楽しもう! って。

そんな青森県には清らかな水、冷涼な気候にはぐくまれたおいしいお酒がたくさんあります。有名どころで言うと、田酒、陸奥八仙、豊盃、じょっぱりetcetc。お酒が旨いということは、必ずおいしい食もセットで付いてくる!

八戸の大きな市場、八食センターで今夜の魚介を買い込みます。ホヤやらホタテやら、あと地元のお酒やらをどっさり買って、近場の銭湯で身を清めました。
ほたて、マグロ、しじみ、馬肉、八戸のせんべい汁! バリエーションに富んだ地域ごとのご馳走の数々。いやぁ、お酒がくいくい進みます(笑)。

おいしい食は旅を楽しくする重要なファクター。それに加えて春夏秋冬、いつ行っても何かしらの楽しみがあるのが青森県の魅力です。

奥入瀬渓谷沿いは真夏でもひんやり。雨上がり、苔とかブナの森とかかがキラキラして、フロントガラス越しに飛び込んでくる景色がとてもキレイでした。
「春」。新芽で萌えるフレッシュな山々をひたすらツーリング。日中は汗ばむ日差し。夕方になると山は急にひんやり。冬の名残が漂います。ヒザとか指先が凍えてきたら、ひょいっと海岸線に降りて柔らかな風に当たる。そう、青森って、山、海、町、温泉……。どこも近いのが、これまた高ポイント。

「夏」は海遊び! なんてことを言うと、「青森で海、入れるの? 寒くない!?」。よく驚かれます。たしかに関東の海より、いくらかひんやりはするけれど全然泳げますよ~。

好みの問題だと思いますが、少し冷ための方が私はサッパリして好きです。汗もスッと引きますしね。

三沢漁港は最果て感漂うサーフスポットでした。どのヒトがお父さんだろうね。長男と、防波堤から応援しました。たまに全然違うサーファーにシャッターを押しまくったり。2017年の夏の家族旅行です。
海水浴なら日本海側が水温ぬるめで楽しめます。波がしっかり沖から届く太平洋側はサーフィンがいい感じ。薄手のウエットスーツを着てジャストです。のぼせるようなぬるい海が苦手な私には、これ以上にない最高のシチュエーション。

「秋」は紅葉ドライブがいかがでしょう。山のなかは、まるで蜷川美佳さんの作品みたいな目の覚める錦秋。ふらりエンジンから離れて、なだらかな稜線をトレッキングするのもおすすめです。冷えた身体をギュッと温めるには、やはり温泉。一流のお湯があちこちに湧いています。

ときは大寒。八甲田山に向かう道中。
そして「冬」は雪遊び! 空港から山に向かい始めたらほどなく景色は一変します。道の両脇にはハイルーフのクルマより、さらにうずたかく立ちはだかる雪の壁。息をふーっと吹きかけたらすべて飛んでいく、高級羽毛のようなパウダースノー! ぱふぱふサラサラな、きめ細かい雪の上を私はスノーボードでゆるゆる進みます。

スピードが出すぎたら、轍からはずれ新雪に突っ込みペースダウン。エッヂにほんの少し加重をかけただけで、右に左に、ゆるゆるゆる。もしかして無重力の世界ってこんな感じなのかも。腰ほどのスプレーを上げながらふと思います。その感覚は水の上を滑っているのにも似ていて、そういえば波乗りに近いかも。雪も水の一部なんだな、などと当たり前のことを実感するのが、青森の雪なんです。

冒頭にも書きましたが、観光客の皆さんは、青森通り越して北海道に飛ぶ人が多いです。そのため常に空いているのが青森のいいところ。だからこそ、どこを切り取っても絵になります。余計なクルマ、観光客は写りこみません。

ぱふぱふサラサラな、きめ細かい雪の上を私はスノーボードでゆるゆる進みます。
こんないい雪があるというのにゲレンデはガラガラ。経営、大丈夫かな……。ちょっと心配になるほどです(笑)。

じいちゃんばあちゃんの言葉はまさに外国語で、何言ってるのかちんぷんかんぷん! ここはどこ、私は誰。あー、もう、またスグにでも行きたくなってしまうのが青森県。

もう少し暖かくなったころ、愛車ではるばる旅してみませんか。日本にはこんなに無垢な、素晴らしい場所が残っていたのか! きっと大ファンになるはずです。

国井律子/Ritsuko Kunii
1975年8月25日東京生まれ。旅のエッセイスト。玉川大学文学部芸術学科芸術文化専攻卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌からエッセイストとしてデビュー。オートバイのほか旅、クルマ、サーフィン、アウトドアなど多趣味を生かしエッセイを執筆。著書に「放浪レディ」(求龍堂)、「アタシはバイクで旅に出る」(エイ出版)など多数。近著に「進化する私の旅スタイル」(産業編集センター)がある。

《国井律子》

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