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【旅エッセイスト 国井律子の乗り物ダイアリー vol.7】初めての“NOエンジン”で北海道の旅

毎年7月ごろ梅雨の東京を抜け出してカラリと涼しい北海道を旅しています。メンバーは7つ年上の実兄と、彼の息子(甥っ子)。そしてうちの長男と私の4人で。昨年次男誕生で1回お休みしましたが、今年から彼も新たにメンバー入りし、2年ぶりに北海道へ行ってきました。

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【旅エッセイスト 国井律子の乗り物ダイアリー vol.7】初めての“NOエンジン”で北海道の旅
  • 【旅エッセイスト 国井律子の乗り物ダイアリー vol.7】初めての“NOエンジン”で北海道の旅
  • 札幌から約5時間、宗谷本線に揺られて(この列車、本当に揺れるんです……)、日本最北端の駅、稚内駅に着きました。ホームに降りてビックリ。寒ーい!
  • いまから2年前、2017年に新千歳空港の傍でレンタルしたキャンパー。子どもたちにとってバンクベッドは素敵な秘密基地。
  • 今回は「北海道フリーパス」で旅しました。それとはJR北海道内の在来線特急列車の普通車自由席、JR北海道バスが26230円で7日間乗り降り自由なお得な切符。乳幼児は無料で乗れちゃいます。車掌さんに切符を見せるのは長男の仕事。緊張の面持ちで切符を握りしめています。
  • 私たちの札幌でのアシは路面を走る札幌市電。山手線と同じく、市内をぐるりとループします。乗っているだけで観光気分に。
  • 日本最北端の宗谷岬にて号泣する次男。現在、絶賛人見知り中の次男は、私以外の抱っこを許さず叔父である兄も拒否。彼を抱く左腕が旅行中パンパンでした……。何年かしてこの写真、次男に見せてやろう(笑)。
  • 亡き親父の趣味である渓流釣りをしっかり受け継いだ兄です。子どものころから川魚を求めて崖を上り下り、「ファイトー! イッッパーツ!」な釣りをしてきました。一方で私は魚やエサは触りたくない。虫とか草とかも大嫌いで、藪漕ぎなど絶対したくない。そんな極めてインドア寄りなアウトドア女の要望を兄は今回すべてかなえてくれ、イージーな漁場で子どもたちもイワナを楽しく釣り上げました。
  • 北海道最高峰の旭岳へ。空気が薄いのと(高山病体質です……)、山麓駅の食堂でビールを呑んでいい気分になっていたのとで、歩き始めにゼェゼェしましたが、途中から快調! 1時間ちょっとの、子連れにはちょうどいいトレッキングコースでした。

毎年7月ごろ梅雨の東京を抜け出してカラリと涼しい北海道を旅しています。メンバーは7つ年上の実兄と、彼の息子(甥っ子)。そしてうちの長男と私の4人で。昨年次男誕生で1回お休みしましたが、今年から彼も新たにメンバー入りし、2年ぶりに北海道へ行ってきました。

子どもたちがまだ小さいので(長男6歳、甥っ子4歳、次男1歳)、自由度が高く、融通が利くキャンピングカーをレンタルする気マンマン。なぜ「レンタル」かというと、長男が産まれたばかりのころ、自前のキャンパーをフェリーに乗せて北海道でサーフトリップしたことがありました。

泊まりは車中ですから現地ではガソリン代と食費(ほぼ自炊)くらいしか掛からないのですが、行き帰りの高速代、フェリー代が想像以上に高く付きました。以来、北海道へは貯まったマイルで飛んで、キャンパーをレンタルするというスタイルがお決まり。レンタカー+宿を取るより断然安上がりです。

いまから2年前、2017年に新千歳空港の傍でレンタルしたキャンパー。子どもたちにとってバンクベッドは素敵な秘密基地。
で、レンタルキャンパー、ケチを付けるならどの車両もかなり年季が入っています。どこかが壊れていたり、清潔であってほしいキッチンやトイレが経年劣化していたり、シートやベッドなどがカビ臭かったり……。けれど最近のキャンパーブームのせいか、今年は新しい車両をウリにしているレンタカー屋が多く見られました。ん!? 値段を見てびっくり! 1週間のレンタルで20万越え!? しかも7月なのでハイシーズン料金が加算され、30万円に届きそうです。いつもの倍かぁ。それなら自前キャンパーをフェリーに乗せた方がいいか!? うーむ……。

初めての“NOエンジン”で北海道

ふと、兄が「バックパックを背負って列車の旅にするか?」と、おかしなことを言い出します。幼子3人連れて? 大荷物背負って!? やっぱり私はエンジンが大好き。公共交通機関で旅だなんてひとつもピンと来ません。だいたいあんなだだっ広い北海道で、クルマがないとどこにも行けないんじゃないの!? 侃々諤々、兄とLINEでやり合いましたが、ちょうどそのころ私の〆切などが重なってレンタルキャンパーの予約が頓挫……。あれよという間に初めての経験、“NOエンジン”で北海道を旅することになったのです。旅前日、バックパックに荷物を詰めながらも不安が止まりません。

しかし結果から申し上げましょう。大丈夫でした! 楽しかった! 電車やバスやフェリーに乗っている間は当たり前だけど運転しなくていいので、子どもたちとゲームをやったり、会話を楽しんだり、みんなで駅弁をつつき合ったり……。おい、子どものクセにウニなんか食べるんじゃない! 生意気! などと言い合ったり。ん、昼からビールも……? なかなか自由に過ごせたのでした。

今回は「北海道フリーパス」で旅しました。それとはJR北海道内の在来線特急列車の普通車自由席、JR北海道バスが26230円で7日間乗り降り自由なお得な切符。乳幼児は無料で乗れちゃいます。車掌さんに切符を見せるのは長男の仕事。緊張の面持ちで切符を握りしめています。
もちろんトラブルもあります。稚内を朝6時36分に発車する旭川行きの列車。ということは6時には宿を出て、歩いて駅に向かわないといけません。5時起きで慌ただしくアレコレこなし、さぁカンペキ。出発だ!とバックパックを背負った矢先、トイレから長男の悲鳴が。失敗したようでなぜか全身オシッコまみれ! 丁寧にパッキングした荷物をほどいたり、うぉーギリギリ……。

そのほかにも、ふざけ合う甥っ子と長男がスグ喧嘩に発展したり(男同士って……)。甥っ子が宿の朝食中、お茶碗をひっくり返して米粒まみれになったり。次男は私が3メートル離れただけで号泣……。次男はみんなから「ものすごいマザコン」とか、「ストーカー」とか、執拗に私を追い回す姿から「ターミネーター」なんてひどいあだ名を付けられていましたね……。

子連れでバックパック旅も「なんとかなる」

亡き親父の趣味である渓流釣りをしっかり受け継いだ兄です。子どものころから川魚を求めて崖を上り下り、「ファイトー! イッッパーツ!」な釣りをしてきました。一方で私は魚やエサは触りたくない。虫とか草とかも大嫌いで、藪漕ぎなど絶対したくない。そんな極めてインドア寄りなアウトドア女の要望を兄は今回すべてかなえてくれ、イージーな漁場で子どもたちもイワナを楽しく釣り上げました。
毎日大なり小なりトラブルはありましたが、きっと子どもたちの心にも残る素晴らしい旅となったはずです。晴天の藻岩山から望んだ札幌一望。最果て感がすごかった宗谷岬。礼文島では2日で15匹イワナを釣りました。子どもたちも立派なソレを釣り上げてご満悦です。富良野のラベンダー畑では、長男が大好きな保育園の担任に「花束を買う!」と引かなかったり……。北海道最高峰の旭岳もトレッキングしましたね。

北海道のハイライト的な場所を、公共の乗り物でなんとも効率よく巡れたわけです。子連れでバックパックって最初どうなんだろうと不安でしたが、全然なんとかなりますね。

これまでレンタルしていたキャンパーの旅では、足りない何かを地元のホームセンターやスーパーで買い足すことからスタートしていました。一方、バックパックは最初から必要最低限。次男のオムツとかお尻ふきとか、どんどん減っていくので逆に荷物が軽くなります。

ただ今回は次男がベビーカー移動だったので、なんとかなったのかもしれません。ハンドルに荷物がひっかけられてリヤカー代わりになりますし、シート下にも収納カゴがあります。まだあんよが上手ではない次男なので、急に脱走とかして手を焼くこともなかったし……(笑)。ともあれ、新たな発見に満ちあふれた北海道の旅となったのでした。

曇天模様で残念でしたが、まさにいま最盛期を迎えている富良野は冨田ファームのラベンダー畑へ。こちらも列車を使って徒歩でアクセス可能。公共交通機関で、けっこうどこにでも行けちゃうもんですね。

国井律子/Ritsuko Kunii
1975年8月25日東京生まれ。旅のエッセイスト。玉川大学文学部芸術学科芸術文化専攻卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌からエッセイストとしてデビュー。オートバイのほか旅、クルマ、サーフィン、アウトドアなど多趣味を生かしエッセイを執筆。著書に「放浪レディ」(求龍堂)、「アタシはバイクで旅に出る」(エイ出版)など多数。近著に「進化する私の旅スタイル」(産業編集センター)がある。

《国井律子》

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