ママライダー座談会 <前編> 現役ママライダーに聞く、バイクとの関わり方

—ママライダー座談会ということで、世代の違う3人の現役ママさんライダーにお集まりいただきました。女性は男性と違い、妊娠・出産を経験したり、その後の子育てでバイクに乗る時間も制限されてしまうと思うのですが、みなさんはその時期をどう過ごされてきたのでしょうか? まずは、ママ歴が一番長くバイク経験も豊富な川崎さんからお話聞かせてください。 

(右から)二輪ジャーナリストの川崎由美子さん、システムエンジニアの戸沢和美さん、
クシタニで主にウェブサイトなどを担当している井上千晶さん。みんな、働くママでもあるのです。


主人が「乗ったら」と応援してくれたんです


川崎 うちは息子が3人いて、今はもうみんな成人しているんですが、長男が生まれたのが私が27歳のときでした。その頃はすでにバイクに乗っていて、音楽の仕事をメインに、二輪のお仕事も始めていた頃です。授かったときは本当に嬉しくて、バイクはしばらくお休みしていました。出産後に初めて乗ったのは子供が6ヶ月ぐらいのときかな。本当に全然乗らなかったので、主人が「そろそろバイクに乗ってもいいんじゃない?」と言ってくれて。それで近所を1時間ぐらい走っただけなんですが、帰ってきたときに「あー、スッキリした!」って思わず叫んじゃいました。このときやっぱりバイクは絶対辞められないなって思いました。 

川崎さんとご主人と息子さん(長男)。バイクはいつもそばにあった。


戸沢 うちの旦那もバイク乗りです。自分でバイクを組んじゃうぐらいバイク好きなんですが、出会ったのもバイクがきっかけでした。独身時代は、北海道にツーリングに行ったり、つくばサーキットで走行会に参加したりしてたんですが、あるとき走行会でちょっとはしゃぎすぎちゃって飛んじゃったんですよ。 


川崎 え〜!? 大丈夫だったの? 


戸沢 自走で帰れるぐらいの感じだったんですが、ちょっと手首が痛かったので体調管理も兼ねて産婦人科に行ったら、おめでたと言われて。それが妊娠2ヶ月ぐらい。だから息子も一緒に飛んだってことですよね。出産は38歳のとき。そのあと40歳のときに二人目を産みました。結婚したのが遅かったので、それまでかなりバイクライフを楽しんでましたが、子供が生まれるとやっぱりかかりっきりになるのでバイクは乗れませんでした。でも実は、乗りたいって気持ちにもあまりならなくて、子供が1歳になるぐらいのときに、旦那が「乗ったら?」と言ってくれて、乗ったら「これだ〜!」って感じでした。 

独身時代からバイクライフを謳歌していた戸沢さん。結婚前、ご主人や仲間とともに北海道に渡るフェリー乗り場にて。


—川崎さんも戸沢さんもご主人がバイク乗りで、乗ることに対して応援してくれたわけですね。井上さんはどうですか? 


井上 うちも旦那さんはバイク乗りです。もともとバイト先のツーリングクラブで知り合って、一緒にミニバイクのレースもしていました。子供が生まれる前は個人戦にも参加していましたが、今は旦那さんと一緒に耐久レースだけ参加しています。子供を産んだのは27歳のときで、もうすぐ4歳になります。私、まだ子供が生まれる前に思ったのが「子供が生まれたらきっとバイクに乗れなくなるだろうから、バイク通勤できる会社に入ろう」と。そしたら通勤だけでもバイクに乗れるかなと。だから当時働いてた会社では、出産後5ヶ月で職場復帰してバイク通勤してました。 

大学生の頃の井上さん。ミニバイクのレースに初出場し、初心者クラスで2位を獲得。これでレースにハマる。お隣は現在の旦那さま。


丸1日のツーリングはママにとってはハードルが高い


ーみなさんのお話を伺うと、出産後のバイク復帰はお子さんが生まれて半年から1年ぐらいという感じなんですね。 


戸沢 そうですね。でも妊娠している期間も合わせると、乗れなかった期間は2年近くになります。今は、息子が8歳、娘が6歳になったので、タンデムで出かけたり、あとは旦那にみてもらったりして早朝ツーリングに出かけたりしますが、やっぱり丸1日とかは出かけられないので、時間がある時にちょこちょこっと乗っています。 


井上 そうなんですよね。そういう意味でやっぱり子育て中のママにとってツーリングはちょっとハードルが高いんです。ツーリングって基本、朝早く出て、夕方遅めに帰ってくるので。私の場合、お願いすれは旦那さんのご両親が子供を預かってくれるのですが、さすがにどんなにおじいちゃんおばあちゃんと仲が良くても丸1日となるとそれも悪くて。でも、サーキット走行だったらバイクも車に積めるし、子供とも一緒に出かけられるから、そっちの方が私にとってはハードルが低いんです。 


川崎 私もレースやキャンプに子供を連れてってましたよ。クルマは私が運転して、息子はパパとタンデムとか。クルマがプラスされるとバイクも家族で楽しめるようになるからいいですよね。 

川崎さんと息子さんのタンデム。この頃は雑誌「レディスバイク」でママライダーの連載も担当。様々なママライダーへのインタビューなども行なった。


井上 そうですよね、結婚して子供が生まれると、ママだけじゃなくて、パパでもバイクに乗らなくなっちゃう方いますもんね。仕事も忙しくなったりして。 


川崎 男性でも二手に分かれるでしょうね。自分だけ楽しんじゃうパパとそういうのはいけないと思って乗るのを控えるパパと。女性だけでなく男性も大変なんだなと思います。 


—戸沢さんはお子さんとのタンデムも楽しまれてますよね。 


戸沢 最近やっとできるようになってきたんです。上の子は男の子ってのもあって、3歳になるちょっと前ぐらいから旦那が後ろに乗せてたんですが、下の子は女の子なので最初は音とか振動が怖かったみたい。なのでベスパからスタートしました。 

戸沢さんと娘さん。タンデムはまずはベスパからスタート。


川崎 以前、レディスバイクでママライダーの連載をしてたときは、どうやって子供をバイクに乗せるかという企画もやりましたよ。おんぶ紐で子供を背負って、このバイクは乗りやすいとか乗りにくいとか(笑)。 


戸沢 その写真見てみたい! 


井上 子供用のタンデムベルトがあるんですよね。私、自分の中のプロジェクトがあって、保育園にバイクで息子を送って行ってるんですが、最初はスクーターで行ってたんですが、最近はR1で行ったりもしています。保育園の男の子たちが「カッコいい!」って言ってくれるので、それで未来のライダーを増やそうと思っています(笑)。 

3才になって「タンデムベルト」でタンデムできるようになった息子さんと井上さん。シートがフラットなトリッカーはタンデムしやすいのだそう。


川崎 お母さんもバイクに乗っていいんだって見せるのは大事ですよね。それで二輪免許を取る女性が増えるといいですよね。 


ーーーーー後編に続くーーーーー


<プロフィール>

川崎由美子/Yumiko Kawasaki 

二輪ジャーナリスト、モーターサイクルエッセイストでありながら、音楽家という一面も持つ。二輪雑誌「レディスバイク」では“不安よさらば”を連載中。またラジオNIKKEI RN2「ライダース」では、バイクとピアノのコラボ企画“由美子の部屋”出演中。ママさんライダーのグループ「MAMA’S倶楽部」を主宰。 愛車はカワサキ ZRX1200R、カワサキ KSR110。


戸沢和美/Kazumi Tozawa

8歳と6歳の子を持つママライダーであり、システムエンジニアでもある。愛車はドゥカティ 900SS、ドゥカティ モンスター900、LML スター デラックス125。キャンプツーリングでは親子タンデムで出かけることも。レース観戦&参加も大好きなアクティブママ。 

 

井上千晶/Chiaki Inoue

バイク用品メーカー「クシタニ」でウェブサイトなどのIT事業を担当。もうすぐ4歳になる男の子のママ。ご主人や仲間と共にレースも参戦している。愛車はヤマハ YZF-R1とレース仕様のホンダ NSR50。R1は通勤や保育園の送り迎えにも乗る。 


text_Yuko Matsuzaki photo_Yumiko Kawasaki、Kazumi Tozawa、Chiaki Inoue

撮影協力_BUNNY BEACH

Lady Go Moto !

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