MOTORCYCLE

女性ライダーにおすすめのバイクと言えば、足着きが良い、軽い、コンパクトな車体などのキーワードが挙げられるけれど、実際のところ女性が選ぶバイクってどうなの? 日本最大級のフロア面積を持つトライアンフ東京、セールスマネージャーの加賀 博文さんに伺ってみました。 

—オープンは昨年(2017年)の5月1日とまだ新しい店舗ですが、1年ちょっと経って女性客の来店はどんな感じでしょうか? 

加賀 男女比で言えば、女性のお客様は10%いくかいかないかぐらいですが、普通二輪免許(〜400cc)で乗れるバイクのラインナップがないブランドということを考えると多い方じゃないかなと思います。トライアンフ東京はカフェやブティックの様な雰囲気もあるので、最初は彼氏の付き添いだったけど、何度か来ているうちにご自身も興味を持ってバイクの免許を取られたという女性もいらっしゃいます。  

アジアパシフィックでも最大級の広さを誇る店内。1階は主に車両やアクセサリー、2階にはクロージングや小物、休憩スペースが備わっている。
オシャレなカフェのような休憩スペース。整備の間もこんなスペースがあればのんびりできちゃう。
充実のクロージングエリア。写真はほんの一角で、ラインナップは驚くほど多い。

ー2階はアパレルが充実して、ゆっくり寛げるソファもあったりしてリラックスできますね。 

加賀 女性はファッションも含めたトータルでライダー像を描かれるので、アパレルも一緒に購入される方が多いですね。あと最近は外国からのお客様も多いです。車両を購入されるわけではないですが、自国でこれだけクロージングやアクセサリーが揃ってるお店がない、ということで来店いただく方も増えました。  

セールスマネージャーを務める加賀 博文さん。トライアンフ東京では様々なイベントやツーリングも実施していて、夏の間は「夜カフェ」(8/5土、8/25土、9/15土)と称して通常営業後の店舗をカフェとして解放予定。詳しくはトライアンフ東京のfacebook内にて(https://www.facebook.com/triumphtokyo/)


ストリートツインがバイク選びの扉を開いてくれる

—では早速本題に入りますが、女性におすすめのバイクと言うと、足着きが良い、軽い、コンパクトな車体などが挙がりますが、メーカーとして女性におすすめするモデルはどの辺りになりますか? 

加賀 トライアンフとしてはやはりストリートツインです。750mmという低めのシート高もそうですが、シート形状が細いので足着き性が抜群にいいんです。 

ストリートツイン
サイズ 全長2090mm × 全幅785mm × 全高1114mm、シート高 750mm、車両重量 216kg、エンジン 900cc 水冷SOHC並列2気筒、価格 103万円(税込)

—そうなんですね、私は勝手ながらボンネビルなのでは?と思っていました。女性はレトロなスタイルが好きな方も多いので……。 

加賀 確かにボンネビルはトライアンフのアイコンであり定番中の定番です。ボンネビルがあるからブランドとしてトライアンフを選ばれる方も多いですが、女性の場合だとちょっと重すぎるのかもしれませんね。 

—どういう意味ですか? 

加賀 重量もそうですが歴史の重みもありますから。そういう意味で、ストリートツインはボンネビルが持っていた従来のバイクの楽しさをコンパクトな車体にギュッと濃縮しているので、楽しさ濃度が高くて一番ピュアなモデルだと思います。ボンネビルを現代的に解釈したのがストリートツイン。だから乗りやすくて純粋に楽しいんです。 

—カラーもいろいろ選べるんですか? 

加賀 ブラック系が3色と、レッド、シルバー、ホワイトの全6色です。色の選択肢が多いのもこのモデルの人気のひとつです。 

—色によるバイクの印象ってガラッと変わりますからね。実際、女性人気はどうですか? 

加賀 ありますね。あと、女性にとってはこのストリートツインがあることで、「私が乗れそうなバイクがある」という風に思っていただき、トライアンフというブランドを選ぶきっかけにもなっていると思います。 

—たしかに雑誌やカタログを見て、「これなら乗れそう!」って思ってお店に見に行きますもんね。大型バイクなのに税込で103万円という価格設定もいいのかも。 

加賀 そうなんです。女性ライダーにとってストリートツインは、トライアンフの扉でもあるんです。自分が乗れそうなバイクが無いとなると、その時点で扉は開きませんから。 


ガチで女性に人気なのはこの3台!

—面白いたとえですね。それを踏まえて、実際に女性たちが選ぶのはどの辺りのモデルになりますか? 

加賀 ストリートトリプル R LOWボンネビル ボバーストリート スクランブラー、この3台は人気があります。 

—なるほど、スポーツタイプが好きな女性もけっこう多いですからね。 

加賀 とくにこのストリートトリプル Rというミッドポジションのモデルに関しては、ローダウンしてあって他モデルと比べて45mmシート高が低いんです。車体自体も軽量(166kg)なので、仮に停止時にフラついても女性の脚力で余裕で支えらます。これも本当に乗って楽しいモデルです。 

ストリートトリプル R LOW
サイズ 全長2060mm × 全幅735mm × 全高1060mm、シート高 780mm、車両重量 189kg、エンジン 765cc 水冷DOHC12バルブ並列3気筒、価格 126.7万円(税込)

—現在のラインナップにはないですが、デイトナに乗っている女性を何人か知っています。 

加賀 足着きという点ではシート高がちょっと高いですが、デイトナも男女問わず人気があります。現行のラインナップではフルカウルモデルがないのですが、需要もあるし必要なモデルだとはと思います。でも来年のMoto2でのエンジン供給が決まったので、今後もしかしたら765ccのフルカウルモデルの市販化も可能性としてはあるかもしれません。ちなみに中古車の中で女性に人気があるのは、今の765ccになる前の675ccのストリートトリプル。これはロー仕様にしなくても今のモデルよりシート高が低く車重も軽く、現行モデルよりライダーフレンドリーな乗り味なので、結果的に乗りやすいんです。先日も1台、女性ライダーにご購入いただいたばかりです。 

 —ボンネビル ボバーは今年4月のネオパーサ清水での「Lady Go Moto 2018! 」のイベントにも試乗車として持ってきていただき、多くの女性が試乗されていましたが反応はいかがでしたか? 

加賀 みなさん笑顔で「楽しかった」と言っていただきました。走りそのものも楽しいのですが、ライディングポジションが少しユニークなのでそこも楽しんでいただけた方が多かったようです。

ボンネビル ボバー
サイズ 全長2230mm × 全幅800 mm × 全高1025 mm、シート高 690 mm、車両重量 243kg (燃料、油脂類、冷却水を含む)、エンジン 1200 cc 水冷SOHC並列2気筒 、価格 159.2万円(税込)

—どんな感じなのでしょう? アメリカンっぽいとか? 

加賀 アメリカンっぽくもあるのですが、アメリカンかと言われたら違います。試乗の際にはみなさんに、おへそに力を入れて、骨盤の角度を意識して乗ってくださいとお伝えしました。ニーグリップではなく体幹で支えるという感じでしょうか。そうするとポジションがキマって、乗ってる姿がとても様になるんです。 

—バランスボールに乗るような感覚ですか? 

加賀 ちょっと似ているかもしれませんね。 あとデザイン的な話で言えば、ボバーは2017年のグッドデザイン賞を受賞しているんですよ。

—そうだったんですね。確かにボバーは見た目もクールだし、印象に残るデザインで私も気になっているモデルです。シートをスライドさせて位置を変更できるのもユニークですよね。そしてストリートスクランブラー、これはまたタイプが違いますが。 

加賀 ストリートブラザーズの3台は概ね人気ですが、とくにスクランブラーは著名な女性ライダーにアンバサダーとして乗っていただいていることもあって、雑誌やメディアで見て「カッコいい!」と購入に繋がるケースもあります 

ストリート スクランブラー
サイズ 全長2120mm × 全幅835 mm × 全高1180 mm、シート高 790 mm、車両重量 224 kg、エンジン 900cc 水冷SOHC並列2気筒 、価格 125.5万円(税込)

—パリダカに参戦されたこともあるエッセイストの三好礼子さんも乗ってらっしゃいますよね。

 加賀 先日も三好さんに憧れてスクランブラーを選んだと言う女性がいらっしゃいました。スクランブラーは色が3色あって、ブラックだと都会的な雰囲気、カーキだとワイルドで野生的、レッドだとファッショナブルというように、同じモデルでも色によって雰囲気は変わります。女性はスペックとかウンチクではなくスタイルで乗る方も多いですからね。


「バイクも洋服選びと同じ、ぜひ”試着”してみてください!」

—ということはストリートツインはメーカーのおすすめでもあり実際に女性人気も高いバイク。そこから先はそれぞれの好みが反映されて、ストリートトリプルやボバー、スクランブラーを選ぶ方が多いということですね。

加賀 そうです。そういったときに我々サイドからおすすめするのは、試乗もそうですが、まずは「試着」をして下さいと、バイクとお客様の写真をスマホで撮って差し上げます。洋服選びも同じだと思いますが、いいなーと思っても実際に着てみるとアレなんか違うな?ってことありますよね。バイクも同様で、跨った写真を鏡で見たり、写真に撮ることで、自分の体格と車体とのバランス、色が似合うかどうかなどを客観的に見ることができるんです。 

—「バイクに跨る」=「バイクの試着」なのですね、面白い。そこで「あ、いいかも」と思ったら次のステップに移れますもんね。 

加賀 トライアンフ東京ではすべてのラインナップを置いているので、ほぼ全車に“試着”することができるので比較もしやすいと思います。あと、どうしても足着きが不安とか、ハンドルが遠いなどがあれば、メリットデメリットをしっかり説明させていただいて適切なカスタムも施すことができます。これは男女問わずですが、バイクを諦める理由っていくらでもあるんです。乗る理由を貫き通すって結構難しいと思うのですが、男性でもそうなので女性ならなおさら。そこを応援したいなと思っています。なのでまずはいろんなバイクの試着をしてみて下さい!